角膜と結膜から構成される眼表面は、視機能を担う上で重要な役割を果たしています。角膜には血管がなく、無色透明であるという、他の組織にはない特徴があります。我々は健常な眼表面を維持するために、iPS細胞や間葉系幹細胞を用いた再生医療と免疫制御の研究を展開しています。
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網膜の機能的再生と抗老化
我々の研究テーマは「網膜の機能的再生と抗老化(Functional Regen eration and Anti-aging of the Retina)」です。眼の中でも特に光受容体である網膜及びその中心である黄斑の病態と老化について研究していま す。網膜は神経組織であり、黄斑は視力を決める部分です。一度ダメージを受けると後遺症が残りやすく、病気や老化をできるだけ予防することが重要で、そのために必要な知識と対策を研究します。また、それでも進行してしまうと再生医療が必要です。近い将来に始まる網膜の再生医療を更に発展させて質を向上させるための研究もしています。
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ヒトiPS細胞を用いた
心筋再生と疾患研究ヒトの心臓は、そのダイナミズムと引き換えに分裂・増殖能力を失っており、一度損傷を受けると自己再生は困難です。当研究チームは、ヒトiPS細胞から効率的に心筋細胞を誘導する技術や、心筋細胞のみを分離培養する技術、心筋組織を構築する技術を開発してきました。現在はそれらの技術を用いて、難治性心臓疾患に対する心筋再生治療法の確立や疾患病態解明および創薬に関する研究に 取り組んでいます。
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着床前期胚発生や着床に必要な
分子機構や子宮内環境現在、日本では11人に1人のお子さんが、体外受精や顕微授精をはじめ とする生殖補助医療(ART)によって誕生しています。生殖医療の分野は日進月歩で進展しており、日々新しい手法の開発や臨床的知見が報告されていますが、十分なエビデンスが確立されていないものも少なくありません。私たちは、臨床データの解析や分子生物学的実験を活用した基礎研究および臨床研究を通じて、新たな治療法の開発と質の高いARTを患者様に提供するためのエビデンス構築を目指しています。
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「再生・細胞医療開発講座」
Cell-Trans-Lab Haneda藤田医科大学は、羽田空港隣接の「藤田医科大学東京 先端医療研究センター」において、ロート製薬株式会社と共同で「再生・細胞医療開発講座」を設置しました。脂肪由来間葉系幹細胞を中心とした再生医療・細胞医療の研究を推進し、基礎から臨床研究、さらには社会実装までを視野に入れた取り組みを展開しています。当講座所属の医師も積極的に参画しています。